【実体験】中小企業診断士の勉強は意味がある?商工会議所の研修で実感したこと

中小企業診断士・実務活用

「中小企業診断士の勉強って、本当に仕事で役に立つのだろうか。」

私自身、一次試験の学習を続ける中で、そう思ったことが何度もありました。

スタディングを選んだ理由については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
【体験談】中小企業診断士の勉強でスタディングを選んだ理由|3年間使って感じたメリット・デメリット

特に「中小企業経営・中小企業政策」は、白書や統計、各種支援施策など覚えることが多く、「試験のための暗記科目」という印象を持っていた科目です。

しかし、先日受講した商工会議所の経営指導員向け研修で、その考えは大きく変わりました。

研修の内容が、中小企業診断士一次試験で学んできた内容と驚くほど重なっていたからです。

もちろん、試験対策を目的とした研修ではありません。

むしろ逆で、診断士試験で学ぶ知識は、経営指導員として企業を支援するための土台となる知識だったことを実感しました。

今回は、商工会議所の研修を受けて感じたことと、中小企業診断士の勉強に対する考え方がどのように変わったのかを書いていきます。

「中小企業経営・中小企業政策」は暗記科目だと思っていた

中小企業診断士一次試験を受験する方の中には、「中小企業経営・中小企業政策」は暗記科目という印象を持っている方も多いのではないでしょうか。

私も同じでした。

中小企業白書の内容や企業数の推移、開業率・廃業率、各種支援施策、補助金制度など、覚えるべき項目は数多くあります。

もちろん、試験で得点するためには暗記も必要です。

しかし、勉強を進めながらも、どこかで「これらの知識を実務で使う場面はあるのだろうか」と感じていました。

実際に数字を暗記したとしても、それが企業支援とどう結び付くのか、当時の私にはイメージできなかったのです。

だからこそ、「試験が終われば忘れてしまう知識なのかもしれない」と考えていた部分もありました。

経営指導員研修で見えた「診断士試験との共通点」

現在、私は商工会議所で勤務しています。

未経験から商工会議所へ転職した経緯については、こちらの記事で詳しくまとめています。
未経験で商工会議所へ転職した体験談|中小企業診断士の学習がキャリアを変えた理由

先日、経営指導員向けの研修(アーカイブ配信)を受講する機会がありました。

研修のテーマは、小規模事業者支援と経営指導員の役割についてです。

研修が始まって間もなく、私は驚きました。

説明されている内容が、中小企業診断士一次試験で学んでいる内容と非常によく似ていたからです。

例えば、研修では次のような内容が取り上げられていました。

  • 中小企業・小規模事業者の現状
  • 企業数の推移と経済に占める割合
  • 人手不足の現状
  • 労働生産性向上の重要性
  • 価格転嫁の必要性
  • DXやAI活用による省力化
  • 事業承継・M&A
  • 伴走型支援の考え方

まさに「中小企業経営・中小企業政策」で学習している内容ばかりです。

最初は「試験範囲と同じだ」と感じました。

しかし、研修を最後まで受講して感じたのは、それ以上のことでした。

これらは試験に出るから学ぶ知識ではなく、経営指導員として企業を支援するために知っておくべき基礎知識だったのです。

この気付きは、私にとって非常に大きなものでした。

経営指導員に求められるのは「企業を見る視点」だった

研修で最も印象に残ったのは、「経営指導員は企業の課題を一緒に考える伴走者である」という考え方です。

経営指導員の仕事というと、補助金や融資の相談、記帳指導などをイメージされる方も多いかもしれません。

実際の仕事内容については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
【体験談】商工会議所職員の仕事内容とは?現役職員が感じたリアルな業務とやりがい

もちろん、それらも重要な業務です。

しかし、研修では「制度を紹介すること」が目的ではなく、「事業者が稼ぐ力を身に付けられるよう支援すること」が重要であると繰り返し説明されていました。

そのためには、企業が置かれている状況を理解する必要があります。

例えば、人手不足が深刻なのか、価格転嫁ができていないのか、生産性向上が課題なのか、それとも事業承継を考える時期なのか。

こうした背景を理解した上で支援を行うためには、中小企業全体の現状や政策の方向性を知っておくことが欠かせません。

私はここで初めて、「中小企業経営・中小企業政策」で学ぶ知識は、一つひとつが企業を見るための視点を養うものだったのだと実感しました。

暗記科目だと思っていた内容が、実は企業支援の土台となる知識だったのです。

数字や制度を知ることは、企業を理解することにつながる

研修を受けながら、私が特に印象に残ったのは、「数字には意味がある」ということでした。

例えば、中小企業の企業数や小規模事業者の割合、人手不足の状況、労働生産性、価格転嫁などの話は、中小企業診断士の試験でも頻繁に取り上げられます。

以前の私は、「試験に出るから覚える」という意識が強く、それ以上深く考えることはありませんでした。

しかし、経営指導員として事業者を支援する立場で考えると、それらは単なる統計ではありません。

例えば、人手不足に悩む事業者から相談を受けた場合、「人手が足りませんね」で終わるわけにはいきません。

なぜ人手不足が起きているのか、設備投資やデジタル化によって生産性を高められないか、価格転嫁によって利益を確保できないかなど、さまざまな視点から一緒に考える必要があります。

その土台となるのが、中小企業全体の現状や政策の方向性を理解していることなのだと感じました。

もちろん、すべての知識をそのまま実務で使うわけではありません。

それでも、「今、中小企業はどのような課題を抱えているのか」を理解しているかどうかで、事業者との対話や支援の方向性は大きく変わるはずです。

「試験のための勉強」が「実務のための勉強」に変わった

今回の研修を受けて、私の中で中小企業診断士の勉強に対する考え方が変わりました。

これまでは、一次試験に合格することが一つの目標でした。

もちろん、その目標は今も変わりません。

しかし、今回の研修を通じて、学んでいる知識は試験だけで終わるものではなく、実務の基礎として積み重なっていくものなのだと実感しました。

実際に企業を支援する現場では、制度や補助金の知識だけでは十分ではありません。

事業者が置かれている経営環境や社会全体の動きを理解し、その企業に合った支援を考えることが求められます。

そう考えると、一次試験で学ぶ内容は決して遠回りではなく、企業支援の土台づくりにつながっているのだと思います。

まだ私自身、経営指導員として経験を積み始めたばかりです。

実務では分からないことも多く、先輩方から学ぶ毎日です。

それでも、今回の研修を受けたことで、「勉強してきたことは無駄ではなかった」と自信を持つことができました。

まとめ

中小企業診断士一次試験の「中小企業経営・中小企業政策」は、暗記科目という印象を持たれがちです。

私自身も、以前はそのように考えていました。

しかし、商工会議所の経営指導員向け研修を受講したことで、その見方は大きく変わりました。

企業数の推移や人手不足、労働生産性、価格転嫁、事業承継といった内容は、試験のためだけに学ぶものではなく、企業支援を行う上での共通認識となる知識だったのです。

もちろん、知識があるだけで良い支援ができるわけではありません。

現場では経験や対話力、提案力など、多くの力が求められます。

それでも、基礎となる知識があるからこそ、経営者の悩みを理解し、適切な支援へとつなげられるのだと思います。

私はまだ経験の浅い経営指導員ですが、今回の研修を通して、「中小企業診断士の勉強は実務への入口でもある」ということを実感しました。

これから中小企業診断士を目指す方も、日々の学習の中で「なぜこの知識を学ぶのか」という視点を少しだけ意識してみてください。

暗記科目だと思っていた内容が、きっと違った景色に見えてくるはずです。