簿記1級に必要な勉強時間は?8ヶ月遠回りした社会人の結論

「簿記1級は800〜1,000時間必要」

簿記1級の勉強を始めると、よく目にする数字です。

私もこの情報を信じて勉強を続けていました。

  • 平日は毎日3時間(早朝1.5時間+通勤1時間+昼休み30分)
  • 休日も早朝を中心に1時間程度
  • 学習期間は約8ヶ月

合計すると、おそらく700〜800時間ほど勉強したと思います。

社会人としては、それなりに頑張っていた方ではないでしょうか。

しかし、結果は厳しいものでした。

初めて過去問を解いたときは、ほぼ0点。

問題文は読めるのに、何を書けばいいのか分からない。

試験本番でも同じような状態になりました。

今振り返ると、足りなかったのは勉強時間ではありません。

本当に足りなかったのは、「学習順序」と「アウトプット量」でした。

この記事では、子ども3人を育てながら簿記1級を学習した社会人として、約8ヶ月遠回りした経験から感じたことをお伝えします。

簿記1級に必要な勉強時間の目安

簿記1級の勉強時間としては、一般的に800〜1,000時間程度と言われています。

  • 毎日2〜3時間の学習
  • 半年〜1年程度の学習期間
  • 商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を幅広く学ぶ

実際、この数字は間違っていないと思います。

簿記2級までとは比較にならないほど学習範囲が広く、論点も難しくなります。

社会人であれば、1日2〜3時間の学習を半年以上継続する必要があるでしょう。

ただし、私自身の経験から言えることがあります。

800時間勉強しても、進め方を間違えると合格レベルには届かない可能性があります。

私はその典型例でした。

私の学習状況|社会人・子ども3人・約8ヶ月

当時の私はフルタイムで働いていました。

さらに、子どもが3人います。

自由に使える時間は決して多くありませんでした。

そのため、勉強時間は主に以下のように確保していました。

  • 早朝学習:1.5時間
  • 通勤時間:往復1時間
  • 昼休み:30分

平日は合計3時間程度です。

休日も家族との時間を優先しながら、早朝を中心に1時間ほど勉強していました。

こうして約8ヶ月継続しました。

数字だけ見れば、それなりの学習量です。

しかし、後から振り返ると大きな問題がありました。

勉強時間は確保できていても、学習内容の配分が偏っていたのです。

私が8ヶ月間やっていた勉強内容

最初の数ヶ月は、ほぼインプット中心でした。

使用していた教材は、TACの「みんなが欲しかった!簿記の教科書」です。

テキストを読み、内容を理解しようとする。

分からない部分は何度も読み返す。

そんな学習を続けていました。

  • テキストを読む
  • 論点を理解する
  • 苦手分野を復習する
  • もう一度テキストを読む

当時の私は、これが正しい勉強法だと思っていました。

なぜなら、まだ理解できていない部分がたくさんあると感じていたからです。

「もっと理解してから問題を解こう」

「基礎が固まってから過去問に入ろう」

そんなふうに考えていました。

しかし今思えば、この考え方こそが遠回りの始まりでした。

過去問を始めたのは試験2ヶ月前だった

私が過去問に本格的に取り組み始めたのは、試験の約2ヶ月前です。

使用したのは日商簿記1級の過去問題集でした。

ただ、最初に問題を開いたときの衝撃は今でも覚えています。

ほとんど何も書けなかったのです。

問題文の意味は分かります。

論点も見たことがあります。

しかし、答案用紙に何を書けばよいのか分からない。

結果として、初回はほぼ0点でした。

8ヶ月も勉強したのにです。

当時はかなりショックでした。

「これだけ勉強したのになぜ解けないんだろう」

そう思いました。

しかし、今なら理由が分かります。

私は「理解する練習」はしていましたが、「解く練習」をほとんどしていなかったのです。

実際に過去問へ取り組んで感じたことは、別の記事でも詳しくまとめています。

簿記1級の過去問が怖かった|8か月勉強しても手が出なかった私の失敗談

理解していることと解けることは別だった

簿記1級の学習で痛感したのは、この点でした。

テキストを読めば理解できる。

解説を読めば納得できる。

でも、それだけでは点数になりません。

実際の試験では、限られた時間の中で仕訳を書き、計算し、答案を完成させる必要があります。

つまり、簿記1級は知識を問う試験であると同時に、アウトプットを問う試験でもあります。

私はその部分を軽視していました。

だからこそ、問題文は読めるのに手が止まる状態になったのだと思います。

今振り返ると、私の学習配分はおおよそ以下のようなイメージでした。

  • インプット:60%以上
  • 問題演習:30%程度
  • 過去問:10%以下

これでは試験に対応できなかったのも当然だったと思います。

少し変化が出たのは過去問に触れてから

とはいえ、過去問を始めてすぐに解けるようになったわけではありません。

最初は解説を見ながら答案を書き写すことしかできませんでした。

  • 答えを見る
  • 解説を読む
  • 答案を書き写す
  • 流れを理解する

そんな状態です。

正直、「意味があるのかな」と思うこともありました。

しかし、それでも少しずつ変化が出てきました。

特に工業簿記は、2回目以降になると部分的に解ける問題が増えてきたのです。

一方で商業簿記は相変わらず難しく感じました。

それでも、過去問に触れることで初めて見えてきたものがあります。

  • 頻出論点
  • 答案作成の流れ
  • 時間配分
  • 試験で求められるレベル感

これらはテキストを読むだけではなかなか身につきませんでした。

社会人が簿記1級で失敗しやすい勉強法

私自身の経験を振り返ると、社会人受験生には共通して陥りやすい落とし穴があるように感じます。

それは、「勉強時間を増やすこと」に意識が向きすぎることです。

もちろん、簿記1級に一定の勉強時間は必要です。

しかし、社会人の場合は学生のように自由に時間を増やせません。

仕事があります。

家事があります。

育児があります。

私の場合は子どもが3人いるため、予定通り勉強できない日も珍しくありませんでした。

だからこそ、「どうやって時間を作るか」ばかり考えていました。

しかし、本当に考えるべきだったのは「その時間で何をするか」でした。

実際、私は約700〜800時間勉強しましたが、試験直前まで過去問演習が不足していました。

もし同じ時間を使うとしても、もっと早い段階から問題演習に取り組んでいれば結果は違ったかもしれません。

社会人の場合、勉強時間そのものよりも学習効率の影響が大きいと感じています。

私自身、早朝学習や通勤時間を活用して勉強時間を確保していました。

社会人の勉強時間の作り方については、こちらの記事でも紹介しています。

【3人育児・フルタイム勤務】社会人の勉強時間の作り方|私が実践した5つの工夫

勉強時間より学習順序が重要だった理由

この経験から、私は簿記1級の学習で最も重要なのは「学習順序」だと考えるようになりました。

当時の私は次のような順番で学習していました。

  1. テキストを読む
  2. 理解を深める
  3. もう一度テキストを読む
  4. ようやく問題演習
  5. 試験2ヶ月前に過去問

今思えば、過去問に入るタイミングが遅すぎました。

一方で、もし今の自分が当時に戻れるなら、次のような順番で学習すると思います。

  1. まず全体像を把握する
  2. 基本問題を解く
  3. 早い段階で過去問に触れる
  4. 不足部分をテキストで補強する
  5. 再び問題演習に戻る

つまり、インプット中心ではなく、アウトプット中心の学習です。

簿記1級は知識を覚える試験ではありません。

限られた時間の中で答案を作成する試験です。

そのため、早い段階から「解く経験」を積むことが重要だと感じました。

これから受験する社会人に伝えたい3つのこと

私自身は遠回りしましたが、その経験から感じたことがあります。

もしこれから簿記1級を目指す社会人の方がいるなら、次の3つは意識した方がよいと思います。

① 過去問を怖がらない

私が最も後悔しているのは、過去問への着手が遅かったことです。

当時は「まだ実力不足だから」と考えていました。

しかし、実力不足だからこそ早く触れるべきでした。

最初は解けなくて当然です。

むしろ、解けないことで自分に何が足りないのかが見えてきます。

私自身も、初回はほぼ0点でした。

それでも過去問に触れたことで、試験で求められる力が少しずつ理解できるようになりました。

② 完璧主義になりすぎない

簿記1級は範囲が広く、すべてを完璧に理解してから次へ進もうとすると終わりが見えません。

私はまさにこの状態でした。

理解不足を感じるたびにテキストへ戻り、結果として問題演習が後回しになっていました。

もちろん基礎理解は必要です。

しかし、ある程度理解したら問題演習に進む勇気も必要だと思います。

問題を解く中で理解が深まることも多いからです。

③ 「勉強した」と「解ける」を区別する

これは簿記1級で最も重要なことかもしれません。

テキストを読んだ。

講義を聞いた。

解説を理解した。

これらはすべて大切です。

ただ、それだけでは試験本番で答案を書けるとは限りません。

実際に問題を解き、自分の手で答案を作る練習が必要です。

私自身、「理解しているつもり」と「解ける状態」の差を痛感しました。

独学で遠回りしやすい人の特徴

私は現在も独学中心で学習しています。

そのため、独学そのものを否定するつもりはありません。

ただし、独学には難しさもあります。

特に次のような人は遠回りしやすいかもしれません。

  • 完璧に理解してから進みたい人
  • 真面目で慎重な人
  • テキスト学習が好きな人
  • 問題演習が苦手な人

実は、これらはほぼ当時の私です。

だからこそ、同じタイプの方には注意してほしいと思っています。

真面目に勉強しているのに結果が出ない場合、努力不足ではなく学習方法に原因がある可能性もあります。

通信講座に対する考え方が変わった理由

現在の私にとって、学習の優先順位は中小企業診断士試験です。

そのため、簿記1級のために通信講座を利用する予定はありません。

ただ、考え方は以前と変わりました。

以前は、「独学の方が安いし自由」と考えていました。

しかし実際に遠回りを経験したことで、通信講座の価値も理解できるようになりました。

通信講座には、

  • 学習順序が設計されている
  • 重要論点が整理されている
  • 問題演習のタイミングが明確
  • 迷いにくい

というメリットがあります。

もし将来的に中小企業診断士試験に一区切りがつき、本格的に簿記1級合格を目指すなら、独学ではなく通信講座も有力な選択肢になると思っています。

少なくとも私は、「テキストを読む→過去問を解く」だけでは限界を感じました。

まとめ|簿記1級は時間よりも学習順序が重要だった

簿記1級に800〜1,000時間必要と言われるのは間違いではないと思います。

私自身も約700〜800時間は勉強しました。

しかし、その結果は決して満足できるものではありませんでした。

理由はシンプルです。

勉強時間は確保できていても、学習順序を間違えていたからです。

インプット中心になりすぎた。

過去問への着手が遅かった。

アウトプットが不足していた。

今振り返ると、遠回りの原因はかなり明確です。

もしこれから簿記1級を目指すなら、「何時間勉強するか」だけではなく、「どの順番で学習するか」もぜひ意識してみてください。

特に社会人は使える時間に限りがあります。

だからこそ、勉強時間以上に学習効率が重要になると感じています。

私自身もまだ学習を続けていますが、この経験が少しでも参考になれば幸いです。